カテゴリ:機械( 2 )
You are Computer.
「どんなコタイプなの?」


「あー、っと、よく雑誌とかでイエス・ノーのアレあるじゃないっすか?
 そんでよく『モデル・女優系』とかってなるンすけど。」


「あー、ソレっぽいねー、何?スーパーモデルとか?」


「ツカ、美人とか可愛いとかよりキレイ系?がいいっすね。」


「ナルホドねー。あ、アレ、今トイレ行ったコとかは?」


「あー、チトおしい感じっすねー。やっぱモチョット背がないと。
 あ、オレ、オネーサンって呼んでもいいっすか?」


「アハハー、オネーサンって呼ばれたことないよー。
 オネーチャンならあるけど。むしろオバサンデショ?」


「イヤー、ツカ俺ン中にオバサンってないっすから。」


「とか言ってー。」


「オネーサンは身長どんくらいっすか?」


「えー、私?166くらいかな?あんまオッキクないでしょ?」


「あー、そうっすねー」


「でも、ホラ、ヒール履くと170とかいくからー。」


「そうっすね、十分ですよー。




中略




「学校出たらどうするの?」


「あー、俺まだ決めてないンすけどー、
 ツカありきたりはヤだなーと、そンくらいでー。」


「あー、そだねー、ホラ、アタシの場合とかは土方でも
 頭脳系でも何でもやるからさー、というより
 楽しく生きたいジャン?」


「そうっすよね、俺もそー思って、ア、ホラ、前に言ってた
 部屋借りて一緒に住むってハナシ、
 マジ考えといてくださいよー。」


「アハー、ヤッパ部屋二つとかないとダメだねー、っていうか
 女優系のコと住んだ方がいいんじゃナイ?」


「イヤ、ゼンゼン、お願いしまスよー。」


「あー、ホラ、あたしとか仕事で飛びまわってるから
 アンマ家にいないよー? 」


「いいっすよ。」


「あー、じゃ考えとコーか?




中略




「あ、アイツ就職決まったらしいっすよー。」


「アノ長野のヒト?」


「あ、違くてー、あの、チャットでこの前一緒だったー、」


「あーあー、アノ人ね、というかあの人ウルサイよねー。」


「あー、まあー、」


「周り考えて欲しいよねー、」


「チョットそーゆうトコありますねー。」


「そンで、ドコにー?」


「あ、良く分からないンすけど、イイトコらしいっすよー。」


「へぇー、あの人がねー。」




中略




「あ、オネーサン今日これからダイジョブなンすか?」


「ああ、っと、3時まで、5時までかな、ギリギリ。」


「また会ってもらえますかね?」


「会うよー、そっちがヤじゃなきゃー。


「ヤなわけないじゃないっすかー、
 マジ今日楽しいっすヨ。」


「メールと感じ違うでしょー?」


「あ、良い意味で違ってまシたね。」


「違うってー?」


「イヤ、もっとキツイ人かなーとか。」


「アハハー、そんな風に思ってたんだー。私はねー、
 もっと暗いヒトかと思ったよ。私、基本的に明るい人スキー。


「あ、明るい人がいいンすかー。」


「明るいというかねー、コメディアン系?」


「あ、コメディアンって、なンすか?


「コメディアンというか、お笑い系のヒトがいいナー。」


「あ、そなンすか。俺とかどですか?」


「あ、ゼンゼン範疇ー。」


「俺もオネーサン範疇っすよー。」




中略




「あー、ニューヨークってそれほど恐くないよー。」


「そなンすか?」


「うん、ホラー、私大学時代留学してたさー?」


「あ、聞きました。^ ^;」


「ウン、だからわかるンだけどねー。^o^」




踊りは人間の肉体に音楽のきびしい制約を課し、
その自由意志をまっ殺して、人間を本来の
「存在への律動」へ引き戻すものだといえるだろう。
ふしぎなことに 、人間の肉体は、時間をこまごまと
規則正しく細分し、それに音だけによる別様の法則と
秩序を課した、この音楽という反自然的発明の力に
たよるときだけ、いきいきと自由になる。


ということは、音楽の法則性自体が、一見反自然的に
みえながら、実は宇宙や物質の法則性と遠く呼応
しているかららしい。そこに成り立 つコレスポンデンスが、
おそらく踊りの本質であって、われわれはこういう
コレスポンデンスの内部に肉体を置くときのほかは
本当の意味で自由でもなく、また、本当の生命の
よろこびも知らないのだ、としかいいようがない。


未来のことなどは考えずに踊らねばならぬ。


今踊らなければ、踊りはたちまちわれわれの手から抜け出し、
われわれは永久によろこびを知る機会を
失ってしまうかもしれないのである。


(三島由紀夫「踊り」)
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by willoldd | 2004-04-27 00:29 | 機械
I was Computer.
この拳骨。


みずみずしく生気に満ち溢れた茎から伸びるその一輪の花びらを撫でる。
ゆらゆら揺れる。喜ぶ。そして僕に合図する。
これから私は花粉を落としますよ、と。
そういって花が頭を振ると、キラキラと輝くビー玉みたいな光が落ちる。
惜しげもなく。無邪気に。喜びながら。
ふわふわと向かって飛んでくる。


手のひらに吸い込まれると、小さな水滴となって弾けて
片手じゃ足りないくらいのキラキラになった。


両手を差し出してやっきになっていた僕にむかって
キラキラはひどく恥ずかしそうに僕に語り始める。
耳を傾ける。お互い照れくさそうに笑いあう。


花もおかしそうに葉っぱを動かして笑っている。
みんなで笑い続ける。おかしいくらいに笑う。
本当におかしくて、僕はそこらへんを
ゴロゴロと転がりはじめる。花は揺れ続ける。
キラキラもぴょんぴょん跳ねだす。


おかしいな。そう思った時には笑いが止まらなかった。
花もキラキラもそんな僕を見て笑い続けた。
それを見てまたおかしくなって笑う。おかしいな。
笑いが止まらないぞ。おかしいな。おかしいな。おかしいな。
笑いながら僕は考える。おかしい。止まらないのはおかしいな。




突然、目の前の花が死んだ。


頭が雑巾を絞ったように宙に向かって捩れ、
その勢いで細い茎がブチンッと音を立ててちぎれていく。
花びらが集まっていた中心の太い茎は
音も無くまっぷたつに裂けて、しおれた葉っぱと一緒に土の上に崩れた。
キラキラの体はだんだんと光がなくなっていって
かわりに黒くて鈍い光を放つただのガラクタになった。
一斉に床一面に倒れた。そのまま光が失われて動かなくなった。




笑い続ける。とまらない。悲しい。笑う。
笑いすぎ。悲しい。おかしい。止まらない。 
涙も笑いも止まらない。悲しい。笑う。悲しい。でも止まらない。


目の前で死んだ。花が死んだ。悲鳴もあげずにこの世から消えた。
キラキラもキラキラじゃなくなりゴミになった。




じゃあ、僕は、何になったんだろう。
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by willoldd | 2004-04-18 02:09 | 機械