I was Computer.
この拳骨。


みずみずしく生気に満ち溢れた茎から伸びるその一輪の花びらを撫でる。
ゆらゆら揺れる。喜ぶ。そして僕に合図する。
これから私は花粉を落としますよ、と。
そういって花が頭を振ると、キラキラと輝くビー玉みたいな光が落ちる。
惜しげもなく。無邪気に。喜びながら。
ふわふわと向かって飛んでくる。


手のひらに吸い込まれると、小さな水滴となって弾けて
片手じゃ足りないくらいのキラキラになった。


両手を差し出してやっきになっていた僕にむかって
キラキラはひどく恥ずかしそうに僕に語り始める。
耳を傾ける。お互い照れくさそうに笑いあう。


花もおかしそうに葉っぱを動かして笑っている。
みんなで笑い続ける。おかしいくらいに笑う。
本当におかしくて、僕はそこらへんを
ゴロゴロと転がりはじめる。花は揺れ続ける。
キラキラもぴょんぴょん跳ねだす。


おかしいな。そう思った時には笑いが止まらなかった。
花もキラキラもそんな僕を見て笑い続けた。
それを見てまたおかしくなって笑う。おかしいな。
笑いが止まらないぞ。おかしいな。おかしいな。おかしいな。
笑いながら僕は考える。おかしい。止まらないのはおかしいな。




突然、目の前の花が死んだ。


頭が雑巾を絞ったように宙に向かって捩れ、
その勢いで細い茎がブチンッと音を立ててちぎれていく。
花びらが集まっていた中心の太い茎は
音も無くまっぷたつに裂けて、しおれた葉っぱと一緒に土の上に崩れた。
キラキラの体はだんだんと光がなくなっていって
かわりに黒くて鈍い光を放つただのガラクタになった。
一斉に床一面に倒れた。そのまま光が失われて動かなくなった。




笑い続ける。とまらない。悲しい。笑う。
笑いすぎ。悲しい。おかしい。止まらない。 
涙も笑いも止まらない。悲しい。笑う。悲しい。でも止まらない。


目の前で死んだ。花が死んだ。悲鳴もあげずにこの世から消えた。
キラキラもキラキラじゃなくなりゴミになった。




じゃあ、僕は、何になったんだろう。
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by willoldd | 2004-04-18 02:09 | 機械
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